2020.07.10OJI
こんにちわ 尾島(@oji_explorer) です
今回はインドネシアにある多様性に満ちた最後の秘境とも呼ばれる不思議な動物が息づくウォーレシアについて紹介します。
一言でいえば、アジアとオーストラリアの自然が交わるエリアのことです。
【進化論といえばダーウィン】が有名ですが、彼と同じ時代にアジアとオーストラリアに挟まれたマレー諸島でフィールド調査をしたイギリスの博物学者であり生物学者、そして探検家に人類学者に地理学者であるアルフレッド・ラッセル・ウォレスが、アジアとオーストラリアの自然分布境界線になるウォーレス線を特定しました。
ウォレスはウォーレシアにあるテルナテ島から、イギリスのダーウィンに宛てた一通の手紙の内容が、ダーウィンが長年温め続けてた内容がほぼ同じだったのです。そこでダーウィンは彼に遅れまいと急いで【種の起源】を完成させ、世に発表したことでダーウィンになれなかった男、ダーウィンに消された男ともいわれてます。
ウォレスについて別の機会でまた紹介したいと思います。
これは紀元前7万年~1.4万年前にあたる最終氷河期の頃の地図です。
東南アジアとオーストラリアが大きな2つの大陸に分かれています。
氷河期になると海水面が下がります。
太陽の熱で海の水を熱して水分の含んだ風が発生。やがて上昇気流となり、上空で冷やされて雨になります。その水はやがて集まり川となり、最後は海に戻ります。
氷河期は雪や氷として陸地に留まるため、水は海に戻らず、世界中の海面は平均で120mも下がったと言われてます。このようにして浅瀬にあった島と島が繋がり、東南アジアの全域がスンダ大陸、オーストラリアとニューギニアが繋がってサフル大陸ができました。
スンダ大陸の東の端がバリ島です。大昔はバリ島周辺までトラやゾウも闊歩していたのでしょうね。実に絶滅しまいましたが昔はバリ島の隣のジャワ島に野生の象や、1940年頃までバリ固有のトラもいたんですよ。一方でサフル大陸の一部のニューギニアにはキノボリカンガルーにワラビーにヒクイドリが今も生息しています。
そのスンダ大陸とサフル大陸の間にある、大陸と繋がらなかった島々こそがウォーレシアです。
ウォーレシアの中央に位置するスラウェシ島は、アジアとオーストラリアの一部が合体して出来たと言われ、98%もの陸生哺乳類が固有種という不思議動物の宝庫です。アジアに居そうにないクロザルをはじめ、オーストラリアにいる有袋類のクスクスも生息し、魔獣のようでジブリ映画で出てきそうな4牙のイノシシのバビルサや、ウミガメと同様にビーチの砂浜の熱で卵を温めるマレオバードなど固有種のオンパレード。へんてこりんな動物のだらけで動物好きなら一度は訪れることを強くお勧めです。
画像をもちいてスラウェシ島の動物を3種類紹介していきましょう
モヒカンスタイルで強面ですが、とても温厚な性格のサル。スラウェシ島にのみ7種類のクロザルが生息し、全てが固有種。不思議なことに7種類とも別の系統だと言われています。
ビジュアル的に4本の牙が見るからに強そうな持ち主。現地の言葉でバビはブタで、ルサはシカという意味で、伸びた牙が自分の突き刺さりそうなことから、自分の死を見つめる動物とも言われてます。一度に1~2頭の子しか産まれず、生息地が限られ、食用として闇取引されることから生息数が減少しています。
何の変哲もない鳥ですが育児放棄をした鳥マレオです。温泉が出る土地や海辺など温かいエリアに、ゆで卵にならない適した温度の深さまで掘って卵を産み落とします。抱卵せず地熱で羽化する不思議な鳥です。羽化した雛は親鳥はいませんから、自分で生きていくため、もう飛び立つことが出来ると言われてます。
マレオが掘った大人も入れそうなほど大きな穴
スラウェシ島の旅の詳細に参考にどうぞ
世界最大のトカゲのコモドドラゴンが息づくコモド諸島は、1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。
トレッキングでコモドドラゴンに出会うだけでも十分なインパクトがありますね。
海中も素晴らしく、マンタやサンゴ礁でシュノーケリングをしたり、朝から夜まで自然を満喫できる船旅はお勧めです。
全長が3m以上で世界最大のトカゲはまさに恐竜レベルです。のしのし歩く大きな図体で、よく狩りが出来るものだと感心しますが、コモドドラゴンの唾液は血を凝固させず、失血させてショック状態にする毒を持っており、長い時間を掛けて獲物をしとめます。
コモド諸島の旅の詳細はこちらです 参考にどうぞ
今回はウォーレシアについてと、お勧めする島を2島紹介しましたが、いかがでしたか?
西の端がインドで東の端がオーストラリアというインドネシア にあるウォーレシアは、東洋のガラパゴスとも呼ばれています。
手つかずで多様な自然だけでなく、いまだ古来の風習が息づき自然と生きる人がこのウォーレシアの島々に住んでいます。現代の流れと、昔ながらの生き方との狭間にいる彼らから話を聞くことで驚き、考えさせられることも多々あり勉強させられます。 あらゆる情報が得られる時代ですが、ぜひウォーレシアの旅を一緒に冒険してみましょう!
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観光客が集わないごく普通で日常な所こそ、その土地本来のカラーが見える気がします。僕らは彼らからしたら外来生物のようなものです。僕らが立ち寄ることで、何かわかりませんが、今まであったその土地にあるバランスを崩してしまいかねません。
そこで守ってもらいたいことが幾つかあります
他にも記述しなければいけない約束事は考えれば山のようにありますが、自分で考え行動しながら、一緒に冒険できる そんな企画を目指したいと思います。
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